日本の超急速EV充電システム市場、2035年には24億ドル規模へ成長予測 – DC超急速充電が牽引
日本の超急速EV充電システム市場、2035年には24億ドル規模へ成長予測
Research Nesterによる最新の市場調査レポート「日本の超急速EV充電システム市場」が発表されました。このレポートによると、日本の超急速EV充電システム市場は、2026年から2035年までの予測期間において、年平均成長率(CAGR)16.8%で著しい成長を遂げ、2035年末には24億2,580万米ドル規模に達すると推定されています。2025年時点での市場規模は2億5,290万米ドルを超えており、今後も拡大が続く見込みです。
市場成長の背景と主要な要因
この市場の拡大は、主に高電圧に関する規制の進展や、政府による多額の補助金制度に後押しされています。また、日本の都市部における高い人口密度と住宅での駐車場確保の難しさから、公共の場での迅速な充電インフラの整備が不可欠となっています。次世代の商用車フリート(車両群)や自動車メーカーによる電気自動車(EV)展開を支えるための、充電事業者による大規模なネットワーク拡充も市場を加速させる要因です。
2023年10月には、経済産業省が利便性が高く信頼性のある持続可能なEV充電インフラの拡大を主眼とする指針を策定しました。この計画は、2035年までに新車販売される乗用車をすべて電動車にするという日本の目標を支援するもので、既存の充電器設置目標の倍増や、特に高速道路沿いでの充電出力引き上げが求められています。
最新の市場動向と企業の取り組み
日本の超急速EV充電システム市場では、いくつかの注目すべき動きが見られます。
-
PowerXの急速充電ステーション開設
2025年5月、PowerXは千葉県の「ハイウェイオアシス富楽里」に、同社初となる高速道路沿いのEV充電ステーションを開設しました。このステーションには、PowerX製の蓄電池一体型EV急速充電器「Hypercharger」が4基設置され、各基で最大150kWの出力が可能です。 -
三菱自動車によるEVスマート充電サービス
2024年10月には、三菱自動車、MCリテールエナジー、Kaluza Japan、および三菱商事が連携し、コネクテッドカー技術を活用した日本初のEVスマート充電サービスを開始しました。このシステムは、電力価格に応じて「アウトランダーPHEV」(プラグインハイブリッド車)の充電を自動制御し、料金割引や特典の提供を通じて、ユーザーの充電コスト削減を支援します。 -
Terra ChargeによるEV急速充電器設置
2025年4月には、Terra Chargeが東京の「新宿パークタワー」に50kWのEV急速充電器を設置しました。これは、施設利用中にEVを充電できる利便性の高い「デスティネーション充電」(目的地充電)を実現するもので、市場の着実な成長に適した取り組みと言えるでしょう。
市場を牽引する充電技術と地域の動向
DC(直流)超急速充電システムの優位性
充電技術のセグメントでは、「DC(直流)超急速充電システム」サブセグメントが、予測期間中に45.7%という最大の市場シェアを獲得すると見込まれています。DC(Direct Current:直流)充電は、EVのバッテリーへ直接、極めて高い電力を供給できるため、エネルギーの迅速な補給が可能となり、ユーザーの利便性を大きく向上させます。また、商用車、タクシー、配送用車両など、稼働率の高い車両の電動化が進む中で、車両の稼働停止時間(ダウンタイム)を最小限に抑えられる充電技術への需要が高まっています。
2023年7月には、日本の公正取引委員会が、2050年のカーボンニュートラル目標達成とEV普及拡大を支援するため、高速道路におけるEV充電サービスに関する調査を行いました。委員会は、EVによる長距離移動を支え、充電不足の事態を防ぐために十分な急速充電インフラが必要であると指摘しており、これは当該市場の裾野が広がっていることを示唆しています。
東京地域の市場成長と補助金制度
Research Nesterの市場分析によると、日本の超急速EV充電システム市場において、東京は予測期間中に大きなシェアを占め、成長を遂げると見込まれています。この成長は、主にEV充電インフラの拡充とゼロエミッション車の普及加速を政府が強力に推進していることに起因します。
東京都は2026年6月、特に集合住宅や一般住宅におけるEVおよびプラグインハイブリッド車(PHEV)向け充電インフラを拡充するための補助金制度を開始しました。この制度は、急速充電器やV2Hシステム(EVのバッテリーに蓄えられた電力を家庭で利用するシステム)を含む充電設備の購入、設置、エネルギー管理、および保守を支援するものです。さらに、太陽光発電設備、蓄電池、通信機能付き充電器、電気設備の改修工事に対する支援も行われています。
東京特有の極めて高い都市密度や住宅事情も、規制面での取り組みを加速させる要因です。e-Mobility PowerやTerra Chargeといった民間事業者は、交通の要所、ショッピングモール、高速道路の休憩施設など、人流の多い東京の拠点に重点を置いています。これらの事業者による省スペースかつ高出力な直流(DC)充電システムの導入は、車両の回転率を高め、1日あたりの利用者数を最大化することを可能にしています。
主要プレーヤー
日本の超急速EV充電システム市場における主要なプレーヤーとして、以下の企業が挙げられます。
-
PowerX, Inc.
-
Shindengen Electric Manufacturing Co., Ltd.
-
DAIHEN Corporation
-
NICHICON Corporation
関連情報
この調査レポートの詳細な洞察は、以下のResearch Nesterのウェブサイトで入手できます。

本調査は、518社の市場関係者を対象に、日本国内の主要都市(東京、横浜、大阪、名古屋、札幌、福岡、川崎、神戸、京都、埼玉)で現地調査およびインターネット調査を通じて実施されました。











